数年前に糖尿病を発症、二年前に検査で「このままだと大変なことになる」と教育入院、運良く退院までの期間は予定の半分で済みましたが、やはり嫌なものです。そこで本気になり、妻共々(遺伝による糖尿病持ち)食事制限に励んだら、数ヶ月で問題がないところまで来れました。何せ、9%を超えていたヘモグロビンA1cもすっかり正常(これを書いている時点で5.7%)で、今では医師から褒められる位ですから。
 それでこの問題について何か人様にお話出来ることがあるとすれば、やはりコンピューターの活用についてかなと思います。どうもこれは、私がオタクであったことが有利に作用したんじゃないかと考えられるのです。データに拘るのはこの道に入った者の宿命ですし、現に主治医や管理栄養士さんにも「コンピューターでこれをやってきた人は初めて」と言われました。もちろん私だけということは有り得ませんが、そうなってくると此処に纏める価値も出て来るというものです。

 さて食事制限で難しいのは、言うまでもなく「意志の強さ」ですよね。ただ、どうも思うに、この本質は「食べ物を目の前にすると我慢出来ない」ことではない。実は制限内でなら、充分好きな物を食べて構わないからです。むしろ問題は、カロリー計算の面倒臭さにあると考えます。何かする度にカロリーを調べ、それを計算し、制御する。それが結構大変なんですよね。でも実はコンピューター、特にスマートフォンという携帯性が良い汎用機を使えば、これはさほどでもないのです。
 私はまず、手持ちの端末にフィットビットのソフトを入れています。これ、記録の為だけなら、スマートウォッチ無しでも使えるんじゃないかな。駄目だったら、エクセルでも何でも、とにかく集計が出来るものなら構いません。
 で、これを買い物や外食に持って行き、「判ったカロリーを片っ端からその場で入力し、その日の分の合計を出してしまう」んです。一見大変そうですが、そうでもありません。今日日きょうび、かなりの商品にカロリーは書いてあります。特にファミレスやコンビニは、この分野に長けている。困るのは、100g辺りのカロリー表示が多いことですが、スマートフォンには電卓も付いていますから、その場でささっと計算します。そうして一日分の計算が終わったら、余りを好きな物に回せる訳です。此処が大切。食事制限とは、無闇に減らせばいいというものではありません。言い尽くされていることですか、きちんと食べないと体は向上性ホメオスタシスを保とうとして排出を減らすし、飢餓状態も脂肪肝の原因になったりしてまずいそうですから。
 この場合の注意は、「買い物中に目移りして、余計なものを購入してはいけない」点です。ただこれも、もしも、「あ、これ珍しい。買っときたい」と思うのを禁止するものではありません。その場合は、賞味期限を確認して後日に持っていけば良いのですから。あくまでも守らねばならないのは、その日、毎食のカロリーバランスに過ぎません。

 もう一つ大切なアイテムは、ウェブで使える買い物リストです。これはグーグルなどが無料で提供しています。本当はリンクを張りたいのですが、どうも個人アカウントと連携しているみたいなので、「google ショッピングリスト」で検索してみて下さい。私はグーグルホームで入力することもありますが、無くても構いません。ウェブから簡単に入力出来ますし、買い物メモは他のことにも役に立ちます。
 で此処に、買う物のカロリーを100g単位などで書いておくのです。そうすれば、行った先で表記がなくても参照して、その場で入力出来ます。事前調べは、これまたネットにはカロリー情報が溢れかえっていますから大丈夫。仮に重さがその場で判らなくても、側にある似たような物から類推して後で家で量り直してもそんなには違わないようです。この話とはちょっと別ですが、一部のカロリー値が発表されていない喫茶店やうどん屋さんなども、熱心に問い合わせたりしてくれている人がいるので助かりますよね。

 私はこれを続けた結果、すぐ最初に書いたような結果を出せました。ヘモグロビンA1cは二ヶ月位前にやっていたことの結果だそうですが、これは仕方ありません。どうせ、数年数十年の計ですから。
 つまりこの話の中心を纏めると、次のようになります。

 食事制限で大切なのは「何をしてはいけないか」よりも、「何を何処までしていいのか」を算出することであり、その為にはスマートフォンのような携帯性のよいコンピューターが有用

 もちろん、基本となる栄養指導はきちんと受けて下さい。また、体重計などもやる気を出すのに有用な道具だし、写真のような食物用の重量計も欲しいところ。とはいうものの、これらの値段は入院するよりずっと安価です。
 どうか、この記事が何かのご参考になれば幸いです。
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