宮地真緒主演のNHK連ドラ「まんてん」は、ただ個人的に好きなだけでなく、注目すべき作品だと思っています。あれは「宇宙の火の見櫓」という現状(多分)存在していない技術と、宇宙飛行士の募集方法に関する空想的な設定、更に最終的には2009年という(少なくとも作られた時点で)近未来を舞台にしたという点で、「SFである」と言い切るのはためらわれるとしても、近接領域には存在しているという点(仮面ライダーG3やチャラビン星人も出て来る? 更にまんてんの愛読書は、クラークの監修です)。そしてそれを、あのNHKの、朝の連続テレビ小説という文法を崩さずに、その中で実現してみせたという点。
 この二点だけで、私のようなタイプのSFファンにはたまらない作品です。まあ、SFの定義自体がとても難しいので、これについてはこれ以上語るのは差し控えますし、議論をする気もありませんが、とにかくこれは、その主人公のまんてんが首から提げており、時々「冬の星座」を吹いていたハーモニカを再現し(ようとし)たものです。
 全体的には、ブルースハープに改造を加えてスペースシャトルのようにデザインしたもの、ということになりますが、ドラマの中では、多分父親の日高源吉さんが作ったんでしょうな。だとすると、結構器用だったことになります。何せ、ハーモニカって奴は全体が台形の断面を持っているので、うまくシャトルの形とつながりません。それにプラ版とパテで形を作って行ったのですが、今度はスプレーがうまく乗らない。結局、どうも全体的にガチャガチャの出来になってしまいました。
 テレビや映画の小道具の人って、こういうものを自作することもあるわけですから、もしかするとモデラーとかが嵩じて就く仕事なのかも知れませんね。とにかく、やはり私ごときのうまく作れるようなものではありません。せめて、鑢とスプレーくらいはやり直すべきかと思っているのですが――。
 なお、これはもちろん、ちゃんと演奏出来ます。ドラマで聴いた限りはG管なのでそれを基本にしてありますから、キーもまったく同じ。一度万博会場に行って(そういえば、ダイコン7があるな)、「冬の星座」を吹いてみたいものです。


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