温泉、私は怒っている


 夏休みが近くなって、旅行の計画など立て始めている。息子は「大きな外のお風呂(つまり、露天風呂の温泉ね)」が大好きなので、その手のパンフレットを眺めているわけだが、最近気になって仕方のないことがあるのだ。
 というのは、あの手の広告には必ず風呂場の写真が写っていて、どういうわけか女性が入っている。その女性が、体にタオルを巻いているか、ひどい時は水着を着ているのである。あれはどういうことなのだろう。
 前に息子と箱根の小湧園に行った時、ここに何種類かの温泉が並ぶという遊園地みたいなものがあった。これはプールと一緒になっていて、ただ屋外が温泉なのである。当然混浴で、水着を着て入る。これならまだ、話はわかる。要するに「プール」なのだから。したがって、洗い場がない。
 しかし、温泉は本来「風呂」ではなかったのか。たまに色物として、変わった温泉があっても良かろう。しかし基本的には、風呂とは体を洗い休める場であって、決して遊び場ではないはずである。
 つまり、ここで言わんとしているのは、要するに温泉は裸で入れ、ということだ。現に修学旅行の引率でも、生徒にそう指導している。裸で入らなければ、体が洗えないし、だいたい不衛生である。もしも水着を着なくては異性と一緒に入れないというのなら、話は簡単、混浴をやめればよろしい。宣伝パンフレットに女性の裸を出したくないのなら、タオルを巻くなんてことはさっさとやめて、無人の風呂場を撮ればよかろう。余計なことをしているばっかりに、今、日本の伝統文化の一つである温泉が、変質しようとしている。

 心配しているのは、あの手の広告が増えたために、風呂場に水着で入ったり、タオルを巻く人が増え始めることである。前述の修学旅行の指導も、最近の生徒があれを真似するから、しなくてはならなくなったのだ。いま聞いたら、中学校もそうなっているそうである。

 それにしても、こんなことを言い始めた所を見ると、そろそろ自分も年を取ってきたのだろうか。とにかくこれだけは言っておきたい。

温泉は裸で入れ!

宇宙暦29年6月14日)


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