普段使用するチェスの駒と盤に求められるものは何でしょうか。
このホームページに展示してある他の人形のようなチェスセットは、実際問題、少し大きめのサイズになります。当然盤も大きくなり、少し見にくいのが実情です。また、狭い日本の家屋では、テーブルが小さくて困ることもあるでしょう。
ということで、やはりどうしても、普通の記号論的形をした駒が欲しくなります。記号論という意味では、将棋の駒はもっと抽象化(なにせ、駒の名称が書いてあるだけですから)されていますが、チェスの場合も、大抵はキングといっても王様の形ではなくて、その冠を模していますよね。このスタイルの駒はスタントン型と言うらしく、公式試合などでは普通これが使われています。
実際にゲームをやったりするには、やはり本などで記号として扱われている駒の形と似ている普通の駒の方がわかりやすいのも事実ですから、プロブレムの研究などにも、こういった駒があった方がいいでしょう。
さて、左右の写真を見て下さい。中折れ型で、駒を収納するケースになっている盤と、木彫りの駒のセットです。これは、東急ハンズで3500円で買いました。で、盤はまあいいのですが、問題は駒です。製品が非常にラフで、ところどころ欠けているのは仕方ないとして、閉口するのは駒が軽すぎて、よく倒れること。チェスは道具で強くなるわけでもなく、いい駒を持っているから勝てるというものでもないのですが、倒れやすい駒はどうにもいらいらさせられます。
それでニチユーに注文して、この盤に合うサイズの、鉛の入った黄楊駒を買いました。これは日本チェス協会でも注文できます。残念なことに、これも製品がラフで、左の写真のように欠けているところがあります。外国製品はやはり日本よりいいかげんなのか、たまたま私が運が悪いだけなのかはわかりませんが、いずれにせよ、黄楊と言う木は結構欠け易いですよね。狂いがないので印鑑なんかによく使われますが、私の印鑑は周りがぽろぽろ欠けています。
ただそのことを抜かせば、さすがに競技用は手触りもよく、何よりも倒れません。それでまあ、さっきの盤の中身の駒を出してしまって、この駒との組み合わせで詰めチェスをやっています。チェスの駒は、すべてダイヤモンドで億の単位の値段がつくなんてものを抜かせば、まあ、競技用の正規のサイズのものでも、10万円はしません。ゲームをすることを専門にするなら、研究のためのコンピューターソフトや本のことを考えても、自動車に凝るよりは安い趣味と言えます。
では、黄楊の駒の方を展示します。絵をクリックすると、大きな写真になります。