鉄扇


 鉄扇は好きだなあ。何といっても、扇子が武器になるという発想がいい。これって、ヨーヨーや風車や楊枝やケン玉を武器にする連中の発生源じゃないですかね。元々は武士が城に上がる際に帯刀を禁じられたから、護身用に扇子の柄を鉄にしただけなんだけど、考えてみれば日本は武器の類が法律的に厳しいから、代わりになる物を探すという発想はまったく同じ。空手も沖縄の禁武政策からきて、農具を改良した様々な武具を生み出したというし。
 実は私、この鉄扇を腰に差して歩いていたため、警察官に職務質問されたことがあります。ナイフか何かじゃないかって。で、一応見せてから正直に武器にもなると言ったんですが、これは別に構わないんだと言われました。銃刀法にも触れないらしいです。
 ところが扇子として使ってみると、これは結構重いので、手首が強くなるんですね。試しに普通の扇子を使ってみると、軽いこと軽いこと。これは意外な余禄でした。
 で、最近は外に出る時こいつを腰に差してないと落ち着かないという、何か木枯し紋次郎の楊枝か長脇差みたいになってきました。もっとも、実際には私みたいな素人が振り回しても、危ない思いをするだけでしょうが――。

 さて、ところで現物ですが、通販の何処で買ったか全然覚えていません。多分、八千円から一万円てところでした。
 ご覧のように金色です。買った時には無地だったので、少々寂しく思いました。そこで何か描いてやろうかとも考えたのですが、金地なので塗料がよく分かりません。
 そこで見つけたのが、携帯電話に女性が飾りで貼るシールです。これは不透明な材料なので、金地にもよく映えます。ということで、模様みたいなのがついているのがそのシールです。折れ曲がる所にちょっと苦労しましたが、割と簡単に貼れました。これは、他の事にも試してみる価値がありそうですね。

 ところでこの色だと、夏にはちょっとぎらぎらするので、白いのも欲しいところ。いずれ、もう一つ、手に入れるかな。

宇宙暦40年5月27日


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