楽器に関する覚え書き
ベースを買い替えた。前に買った奴はどうにもフレットの位置がおかしく、弾いていて気持ちが悪い。それで今度は少しはまともな奴をと思い、フェンダーのプレシジョンやジャズ・ベースも当たってみたのだが、結局はフェルナンデスのFRB-45に落ち着いた。
実はこれは私のではない。前から妻の誕生日に花を贈る約束をしていたのが、突然エレキ・ベースが欲しい、職場のバンドでベースを担当するんだと言い出したために買ったのである。だからミディアム・フレットの女性でも弾きやすい仕様になっている。結果としては、自分でも弾きやすいのだが、これはギターのフレットに慣れているせいだろう。ベースは解放弦を使わない方がいい楽器なので、フレットに手が届かないととても困る。
買う時に他のミディアム・スケールも試してみたのだが、ヤマハのはどうも音が硬すぎる。ベースらしい音というのは、やっぱり少しは伸びのある暖かいものだと思う。ヤマハのも決して「悪く」はないのだが、2本目ならともかく、1本目の楽器となるとどうもね。ウッド・ベースのイメージがあるからなのかも知れないが、プレシジョン系の音の方が好みに合う。このフェルナンデスの楽器は、その点でもこちらの希望に合っていた。欲を言えば、デザイン(色)がもう少し暗めの方がいいのだが、この機種ではこの色しか置いてなかった。楽器は音が大切とはいえ、長く使おうと思ったらこういう要素も莫迦には出来ない。まあ、実際にステージに乗ってみるとまた違って見えるのかも知れないが――。
やってみると、結構はまるなあ。ギターはFのコードを押さえるのが苦手だけど、ベースはそんな心配はない。まあ端から聞いたら下手糞なんだろうが、当人が満足していればいいのである。どうせアマチュアの戯れ事だ、とばかりに古い曲をいろいろと弾いてみたりしている。チョッパー奏法なんかはまったく出来ず、一般的な人差し指と中指の2本でやる演奏か、たまにはピックも使う。
しかし、やっぱり70年代プログレの影響は大きく、リズム楽器というよりはメロディを弾く方が好きだ。「原子心母」や「チューブラー・ベルズ」の最初のリフなんかとても味があるし、ああいった感じは自分の曲にも色々と使えそうだ。もしも自分がベース奏者だったら、違った感じの楽器を数本揃えて、エフェクターなんかも通すだろう。「展覧会の絵」でグレッグ・レイクが弾いていたワウワウを通した「バーバ・ヤーガの小屋」、あんな感じである。こうなったらエレキ・ギターも何とかしたいものだ。今度、ストラトキャスターでも買おうかな。
(宇宙暦31年2月11日)
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