XI.砂虫

　読んで字の如くこれは「シャイ・フルド」のカードであり、砂漠における特殊な宗教の崇拝対象である。砂虫は香料メランジのメイカーであり、フレーメンの乗り物であり、また、武器でもあった。これはXIII番の砂丘のカードと対応するものなのかも知れないが、元来デューンにおける崇拝の対象は、「死」と隣合わせになったものが多い。シャイ・フルドとはメランジの搾取人にとっては明らかに恐ろしい怪物であり、その一方ではフレーメンにとっての神でもある。デューン・タロウのカードが持つ意味の多様性を考えるとき、これなどは非常に良い見本になるだろう。
　さて、実際にこのカードの絵を見てみると、巨大なシャイ・フルドの背中には、一人のサンド・ライダーが乗っている。これは明らかにシャイ・フルドとの共存を意味している。であるならば、XVIのサンドクロウラーに登場する砂虫とはまったく逆の意味を持つことは明白であろう。

逆位置の意味

敗北、強い敵、仲たがい、不和、