XVII.リザン・アル―ガイブ

       リザン・アル−ガイブとは、フレーメンの救世主伝説(マーディ)に現れる「外からの声」あるいは「水を与えるもの」のことである。もちろんこれは、ムアドディブのことでもある。そもそもこの伝説はベネ・ゲセリットの保護伝道団によって広められたものが、彼女達の思惑とまったく異なった形で実現したものだ。そのためベネ・ゲセリットは大変な失敗をしてしまった。すなわちムアドディブは一代早いクイサッツ・ハデラッハとなり、かのアラキス事変を巻き起こすことになったのである。
       ここに描かれているリザン・アル−ガイブは、何の感情も込めずに淡々と水を与えている。しかしそれを受ける者のほうは、まったくの素手のままだ。これでは水はこぼれてしまうだろう。このカードは救世主の与える希望とともに、それを受ける人間側の愚かさををもあらわしている。

    正位置の意味

      (外からの)助け、希望、補給、導き、神の声、啓示、

    逆位置の意味

      失望、孤立、無信仰、あやまった信仰、

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