ビクセン ファインダーアイピースの再改良


 以前に書いたビクセン ファインダーアイピースの改良ですが、その後運用した結果、どうも照準が付けにくいと思い始めました。これは十字の入った枠を外した為、どうしても眼を接眼部から離さねば上手く見えないからで、測ってみると10cmは距離を取らねばなりません。そこで、接眼部の所に筒を着けて見ました。

 まず、左のような型紙を作ります。これはそこらにあった使用済み封筒を実際に接眼レンズに巻き付け、少しずつ切っていって一番良い見え方をするところまで縮めました。実際には型紙というより、これで上手くいくのかどうかの実験という感じになったようです。
 その後、同じ大きさになるように実物を作ります。材料に迷ったのですが、ふと見ると洗い済みのカップヌードルの入れ物がありました。円錐形にもし易いと考え、これを採用。再びレンズに巻き付けてセロテープで仮止めしてから長さを整えます。

 始めはこれにビニールテープを巻き付けて完成としましたが、どうも実際にレンズに装着した時外れ易いのと、眼を当てる位置の基準が欲しくなったので、下にダンボールの筒と、接眼部に蓋を当てました。蓋はペットボトルの蓋に穴を開けてから、紫外線硬化樹脂で形を整えて取り付けます。ただ、装着にも樹脂を使ったのは少々失敗。中に垂れた部分に日光が当たりづらく、固まらないのです。仕方なく、拭き取ってみました。これで一応完成です。不格好ではありますが、何、人に見せるようなものじゃあるまいし、使えれば充分です。
 あと、内部を黒く塗った方がいいのかも知れませんが、これはあくまでファインダーなので、そこまでしなくても良いだろうと手を抜いてあります。実際、特に影響はありません。

 被せた結果が左です。右の、離した状態と比べると、かなり長くなります。元々この製品は長いので、この状態ではしまっとくのに邪魔です。したがって固定にはせず、外せるようにしておいた方が無難です。

 さて、覗いてみた結果は以下の通りになりました。

 最初に購入した時の状態。視野が明らかに狭いのが判ります。  最初の改良。視野はかなり広くなりますが、接眼レンズから眼(この場合はカメラのレンズ)を10cm位離さねばならず、照準を付けにくいのが困りもの。実際、写真でも周りが見えています。  今回の改良で筒を着けた物。ちょっと前の写真と角度が違うので判りにくいのですが、天体を見た時の視野は変わりません。ただ、照準が付けやすいので、このように写真も楽です。

 これで色々と見付け易くはなりましたが、でもなあ、前にも書いたけど、やっぱりこれって最初からメーカーが考えてくれれば済むことなんだよなあ。

宇宙暦53年3月18日


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