織本篤資氏が戸崎茂氏と組んでデザインした旅行用ナイフ、と本(「ナイフ学入門/織本篤資」並木書房)にはあります。基本的なデザインはラギオールの流れを組んでいるそうですが、とにかく完全に料理用として設計され、それを旅行に持って行けるもの、というのがコンセプトのナイフです。私の場合、ロッキーマウンテンとこの2本は常に戸棚の中にあり、普段の料理に使っています。こうして手に馴染ませておけば、実家に帰った時にも慣れない包丁に悩まされる心配がありません。
ちょっと感想を述べますが、ロッキーマウンテンに比べて刃が厚く、根元の形が原因で、少々砥ぐのが難しく感じられます。刃が長いのでキャベツや白菜は刻みやすいかな。ナイフの切れ味はあくまで研ぎによって変わりますから、これは使っている人間の責任です。ただ、砥ぎにくい形と言うのは確かにあるので、もしも自信がないのなら、このように刃が厚くて長いものは避けた方が無難でしょう。もちろんだからといって至難の業というわけではありませんから、野菜を多く摂取すべき現代人には、こういうナイフも必要なのかも知れません。