展示室――ナイフの部屋
ナイフの話です。
私は「アメリカではこうしている云々」というのが好きでないのですが、ナイフについてだけは別です。前に本で読んだのですが、アメリカでは(実際にアメリカ人に聞いたわけではありませんけど)八歳になると子供にナイフが与えられ、その使い方は祖父が教えるんだそうです。それで、二つの約束をさせられます。一つ、そのナイフを人に向けてはいけない、二つ、ナイフの手入れを怠ってはいけない。
あのような大きな国ですから、全土でこの習慣が行われているわけではないでしょうが、何か説得力があります。最近の日本は、「危ないから」といって刃物を子供から遠ざける傾向があって、そのために包丁のない新婚家庭が増えているそうです。刃物は正しい使い方を教えてこそ、価値があるというのに。
で、私自身はあまり野外生活をしないのですが、家で調理をする関係上、刃物をよく使います。それで、たまに遠足の引率などで料理をすることがあって、その時のために普段から、外に持って行けるようなナイフを使っているのです。
でも、考えてみるとこれは逆かも知れません。もしかしたら、本当はナイフが好きなんであって、料理はそのための方便なのかな、と思うこともあります。当たり前ですが、武器に使うのでもない限り、ナイフは工作か料理くらいにしか使えませんから。
ここに上げたのは、私が普段使っているナイフです。ナイフは使わなければ意味がありませんから、装飾入りの高価な物は一つもありません。もしももっと金持になれたら、10万円を越すナイフを買ってもいいのですが――。でもきっと、例えダイヤモンドがはめ込まれているようなナイフでも、それで魚を捌いてみたくなるでしょう。私にとってのナイフとは、あくまでも「道具」なのですから。
――平田真夫(E-mail:atelier@hirata-koubou.com)
注意! 輸入ナイフの値段は円相場で変動します。また、中には、いつの間にかカタログから消えたものもあります。ここに書いたことは、あくまでも参考だと思って下さい。
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――平田真夫 (E-mail:atelier@hirata-koubou.com)