アトリエ・平田工房のマークは、薄荷の葉に火の燃えるランプを使っています(左図)。薄荷の葉は庭で育てている物、ランプは知多半島で購入した品ですが、これは開始時から替えていません。そこで自分の使っている様々な道具にこのマークを使用したいとは思っていたのですが、長い間いい方法が見付かりませんでした。それが今回、純銀粘土という素材に出会ったのを機会に作成したものです。
右写真の内、懐中時計(ジッポーの電波式)の裏に貼り付けてあるのがオリジナル、ヴィクトリノックスのアーミーナイフに付いているのがコピーです。ご覧のように、コピーの方が若干小さくなります。元々ジッポーの時計は如何にも質実剛健で飾り気が無く、少しは何とかしたいと思っていたのが、ようやく自分の印を付けられた訳です。
作り方は、まず葉っぱの部分を本物の裏に粘土を塗って乾かし、焼成して銀以外は焼いてしまいます(このように、燃えてしまう物の型を取るのに、銀粘土は非常に良い素材ですね)。その後もう一度粘土を掛け、ランプと炎を彫りました。細かい部分はなかなか難しいのですが、どうにか出来上がったようです。
さて、これで後は型取りさえすれば量産が出来ると思ったのですが、シリコンから剥がす時にどうしても割れてしまいます。そこで、乾いたら出来る限り型取り剤を削り取って、シリコンごと燃やしてしまえば上手く行きそうだと思って実験したら、溶けたシリコンが下に落ちて汚してしまいました。詳しくはこちらを見ていただければ解りますが、別の所でこの部分だけ燃してしまってからガスに掛けましょう。こうして出来たのが左のコピーですが、収縮してしまうのは仕方ありません。更に、少し銀黒で燻し過ぎたかな、という気もしますね。