楽器に関する覚え書き

カシオデジタルホーン――Casio digital horn


 楽器屋で安売りしていた物。5千円ちょっとで買ったと思う。SY77を買った時に、ブレス・コントローラーにしようとしたのである。
 このクラスの楽器としては、かなりいい音を出す方だ。まだサンプリングが一般的でなかったころでどう聞いても電子合成だが、それはそれなりのレベルに達している(まあ、それでも今となってはさすがに、「達していた」と過去形で書くべきか)。とり・みきの「怪盗アルツハイマー」にも出て来たから、その道では結構名の通った楽器だったのだろう。惜しいのは、リバーブを内蔵していなかった点である。実際、試しにアウトプットからリバーブを通してみたが、これが結構いけるのだ。どうも電子楽器という奴は、リバーブの有る無しで全然違う印象を与えるようである。
 さて、先にも書いたが、これはブレス・コントローラーに使おうとした位であるから、当然MIDIアウトを持っている。広告の謳い文句にも「MIDI端子の採用で、無限の可能性」とかあった。内蔵音源があまり良くなくても、確かにこれならどんな音でも出せるわけだ。実際、SY77のトランペットの音をちょっと改造して吹いてみると、実に具合がいい。改造してと言ったのは、音量調節をベロシティではなく、アフター・タッチで付けられる様にしなくてはならないからである。

 それにしても、ショルダー・キーボードもだが、こういったMIDIインターフェイスには最低限の音源を内蔵して欲しいと思うのは、私だけだろうか。何もそんな本格的なものでなくていい。まあ、ショルダー・キーボードの場合、和音が出ないと困るのだが、要するにこれは練習のためである。そのインターフェイスの指使いを覚えるためにいちいち音源を接続するというのでは、折角の可搬性が死んでしまう。それだけで単独で使えて、事情が許せば本格的にMIDIからも音が出せる。そうなっていれば、練習にもライヴにも使えて、応用範囲が広がると思う。少なくとも、アマチュアの場合は――。

宇宙暦28年12月17日)


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