MIDIデータ
私が初めてまともに作曲をしたのは、大学の2年の時、今から数十 年あまりも前のことです。大学のSF研究会で作っていた同人誌と映画のために作曲したのですが、当時はテープ・レコーダーを2台使って音を重ねるしかなく、雑音と音程の狂いには本当に悩まされました。それに、どうしても必要な楽器が手に入らない時はわざわざ借りにいくしかなく、「バトルブレイン」という映画でパイプオルガンを使った時は、教会まで行ったこともあります。
MIDIの出現は、だから大変な福音でした。そもそも私のような素人が編曲する場合、一番難しいのは頭の中で作ったイメージが、どのように楽器を配置すれば出来るのかがなかなかわからないことです。しかし、現在の発達したコンピューターを使えば、それは試行錯誤で出来てしまいます。だから、前にはクラシックのフル・オーケストラを使った曲なんか自分には絶対に出来ないだろうと思っていましたが、今は何とか格好が着くんですよね。その点では本当にいい時代になったと思います。もしも数十 年前にこれらの器材があったなら、きっと映画の音楽ももっとずっとよくなっていたことでしょう。
ということで、ここには私の作曲した曲が並んでいます。昔の作品も、すべてMIDIで入れ直しました。もしもよければ、聴いてみて下さい。
なお、このページのデータは、一部図書室 と共用しております。
私の初めての本格的作曲です。東工大のSF研で作ったダイナビジョン映画「ゆきねこ」の主題歌として作りました。この映画は、伊東愛子さんのマンガ「ゆきねこ」を原作にした民話風の物語です。マンガの冒頭に載っていた詩に作曲しました。
これも映画の主題曲。原作は、一部のマニアの間で有名な、岡田史子さんの同題のマンガです。映画としての出来は、「ゆきねこ」ほど芳しくなかったなあ。曲には、マイク・オールドフィールドの影響が濃厚に現れていますね。
私が現役だったころ、東工大のSF研は、お茶の水女子大のSF研と一緒に、しばしば企画を立てていました。これは、そのお茶大の人に頼まれて作ったもので、J・R・R・トールキンの「指輪物語」の中で、ビルボ・バギンズが唄う歌が元になっています。このデータはフル・オーケストラ編曲になっていますが、もともとはピアノと歌だけでじょうじょうと唄う曲として作り、その方が良かったかも知れません。
なお、「指輪物語」についての音楽はけっこう他にも作曲されていて、インターネット内では、Pippn's Home Page 内の「指輪物語ホームページ 」に「オリジナル・ファンファーレ」というのが上がっています。また、商業レコードの代表的なものとして、サリー・オールドフィールドの「Water Bearer(これについては、「遥かなる地球からの歌 」のコーナーにレビューがあります)」、ボ・ハンソンの「Lord of the Rings」、あとはアニメの主題歌がありましたね。
これもお茶大の人に頼まれて作ったものです。作詞者に詩を渡されて曲をつけたのですが、その元原稿がなくなってしまい、ここに出すことが出来ません。曼珠沙華の幻想を唄った美しい詩だったのですが――。
私の初めての標題組曲です(これ以前にも、「バトルブレイン(戦闘頭脳)組曲」というのがあったのですが、それはサイモンとガーファンクルの「スカボロフェア」を元にしていますので、厳密にはただの編曲です)。お茶大の(またか! どうもこの手の作曲が多いですね)同人誌「コスモス」に載った同題の小説が元になっています。これは、戦った相手を必ず殺してしまう呪われた騎士の孤独を書いた佳作ですが、私はそれを下敷きにしてピアノ曲を作ってみました。そして、いつかオーケストラを雇えたら演奏してみたいものだと夢のようなことを考えていたのですが、MIDI音源の登場でそれも簡単に(データの作製は大変ですが)実現するようになったのです。まったく、夢のような話です。
なお、この小説は作者の川崎飛司さんの御厚意により、図書室 の方に収録させていただきました。併せてお読み下さいますよう、お願い申し上げます。
この曲のタイトルは、どうも定まりません。始めは「5000年のコラール」といっていたのですが、もちろんコラール形式にならなかったので、いろいろと変わっているのです。この曲の企画の元になった映画は結局出来ずじまいでしたが、ピアノ・ヴァージョンだけは別の映画「Survivor」の中に使われました。前作と同じく、MIDI音源が手に入るまでは、ただのピアノ曲だったものです。それにしても、妻はこれを「ベートーヴェンの第7だ」といいます。ううん、困った。確かに似ている。
上の曲のロック版です。3拍子が4拍子に変えてありますが――。本当は歌詞が欲しいのですが、どうもうまく出来ません。もともと映画音楽として作ったものだけに、最近の傾向(最後にロック調の歌詞がついたものが流れる)を引いていますね。
これは割と新しい方です。子供が生まれた時に、あやす歌として作りました。「ヒロ君、ヒロ君、ピンピンピン」といって、ほっぺたを叩きながら唄うというひどいものです。おまけに、冒頭のテーマが「春よ来い(松任谷由実ではないほう)」にそっくりという……。
数年前、英語の会話の授業で生徒が作った英語詩に頼まれて作曲しました。こんなに大掛かりな編成にせず、ピアノ一台にしておいて変奏曲にでもすればちょっと面白いかも知れませんが、実は自分でもどういう和声進行をとるべきなのか、よくわからないのです。
「前奏曲」については、特に決まった形式はないみたいです。これは何かのタイトルをつけるよりは、絶対音楽的なものにしたかったのでこの題を採用しました。あるお世話になった人に献呈するために作ったものです。初めての本格的なピアノ曲ですが、実は自分では難しくて弾けないという……。困ったものです。GM/GS/XGで演奏するとモノラルになってしまうので、出来ればナノピアノ のような、それ自体がステレオのピアノ音源で聴いていただくと良いかと思います。
音楽室に戻る