商業誌に載った作品の一覧
実はこんな私でも、商業誌に作品を発表したことがあります。ほんの僅かで、また現在入手が難しくなっているものもありますが、それでもこんなこともあったんだなあ、ということで、ここに記録しておくことにします。まあ、たいして意味のある記録でもないんですが、座興だと思って見て下さい。また、もしもこれらのどれかを目にされたことがある方は、何だこいつの作品だったのか、とでも思っていただければ幸いです。
作品のデータ作成に当たっては、一応ある程度まとまったページをもらったものに限りました。したがって、例えばSFマガジンに投稿した「てれぽーと」欄のハガキなどは省いてあります。
小説
水の中、光の底
東京創元社、
初めての小説の単行本になります(情けないことに今のところ最後でもあり、次の見込みも立たず)。元々は、日本SF大会の自主企画「SF創作講座」で受講する為に書いた短編を、創元社の方でまとめて戴いたものです。
ここで内容について詳しく述べるべきではないと思うのですが、これで判ったのは、やはり「継続は力」ということ、もう一つ「先人の教えは常に参考にすべきであり、ただし無批判に取り入れるのではなく、きちんと咀嚼して自分のものにしなくてはならない」ことでした。
小説の天才ならともかく、私のような凡人の場合、長い間同人誌などで足腰を鍛え、より優れた方法を他人から学んでいく必要があります。この本の原稿についての編集者の方とのやり取りで、そのことが身に染みて解りました。
とにかく、創作講座講師の久美沙織さん、森下一仁さん、三村美衣さん、横山信義さん、創元社の小浜徹也さん、その他幾多の「〜の書き方」の類の本のおかげで出版出来たものだと思います。この場を借りてお礼を申し上げます。そして、あの人にも、
「矢野徹先生。私はようやくここまで来ましたよ」
と――。
硝子の本
再着装の記憶――〈エクリプス・フェイズ〉アンソロジー(アトリエサード/書苑新社)、
テーブルトークゲーム「エクリプスフェイズ」のシェア・ワールド小説アンソロジーに載せた戴いた短編です。異種生命体という物に対する私の見解を、この世界の設定の中で書いてみました。岡和田晃さんの御紹介ですが、本当にお世話になっております。有り難うございます。
マイ・レディ・グリーン・スリーヴス
SFマガジン(早川書房)、号
その年のSF大会(エゾコン2)の創作講座に応募して、当時のSFマガジン編集長・今岡清さんに拾っていただいたもの。詳しくは実物を見ていただくことにして、この作品で初めて私は小説の「技術」というものを学びました。天才ならともかく、私のような凡人はどうしてもある程度の技術的な研究をしない限りはどこかで行き詰まりが出ます。もしもこのホームページの小説に、いくらかでも読む価値のあるものがあったら、それは今岡さんのおかげです。
アドヴェンチャー・ゲーム
展覧会の絵
創元推理文庫、 森山安雄名義
アドヴェンチャー・ゲームに詳しい方なら、御存じの方もあるかと思います。創元推理文庫のこのシリーズから、割と後期に発売されました。アドヴェンチャー・ゲームというのは一時期とても流行ったジャンルなのですが、そのためにやたらと粗製乱造になった時期があり、ジャンルそのものの寿命が短かったようです。私のこの作品は、当時結構評判が良かったのですが、ジャンルが壊滅する直前の時期に出たため、その後が続いていません。上の「マイ・レディ・グリーン・スリーヴス」もですが、私は作品のタイトルに音楽の題をつけるのを好んだころがあり、それは下の連載の中にも現れています(詳しくは「『展覧会の絵』の想い出」を参照)。
尚現在は、創土社より復刊して戴き、幻想迷宮ゲームブックからキンドル化して戴いております。
新世界から
POPCOM(小学館)、号
昔々……
POPCOM(小学館)、号
待祭の旅
POPCOM(小学館)、号
笹の葉さらさら
POPCOM(小学館)、号
ベンジャミンおじさんの家
POPCOM(小学館)、号
1月早いクリスマス
POPCOM(小学館)、号
この6つは「展覧会の絵」の1年前にコンピュータ雑誌に連載していたものです。これの原稿料で初めてのワープロを買いました。今思うと、これらのおかげで小説の書き方を学ぶことが出来ました。また、これがあったからこそ、「展覧会の絵」が出せたのです。このシリーズは、雑誌の欄外の小さな枠を利用していたので、それほどページを食わなくてもすみました。改めて考えると、現在のHTMLを使うと、アドヴェンチャー・ゲームという形式も、もっと応用が効くかも知れませんね。
なお、上記のうち、「展覧会の絵(森山安雄)」、「昔々……(森山安雄/平田真夫)」、「笹の葉さらさら(森山安雄/平田真夫)」は、iGameBookからiアプリとしてデジタル化して頂きました(現在は絶版)。
エッセイ
クリムゾンの二十一世紀
キング・クリムゾン 二十一世紀的異常音楽の宮殿(河出書房新社)、
キング・クリムゾンに関する共著ムック。エッセイを一つ書かせて戴きました。上の「再着装の記憶」と同じく岡和田晃さんのご紹介です。クリムゾンが歌った二十一世紀、まだまだ実現には程遠い。音声入力で家電を動かすとかは出来るし、こうして各家庭がコンピューターで繋がるところまでは来たんですがねえ。
しかし、マイク・オールドフィールドもやってくれないかなあ。
地平線の彼方へ飛行船を追いかけて……
トホホ者のパソコン戦記(アスキー)、
元々は週刊アスキーに投稿した失敗談。ラジコンの飛行船を飛ばして降ろせなくなってしまった時の記事です。雑誌掲載が何時だったのか、判らなくなってしまいました。このアンソロジーの規則か、実署名は着いておりません。
ワープロ教師の衝動買い日記
VZ倶楽部(ビレッジセンター)、
ビレッジセンターが、Vzエディターのユーザーを集めて作った本。ちょっとした伝手で、私にも機会が巡ってきました。Vzについてはもう説明の必要もないでしょうが、驚くべきはあのエディター、かなり後まで現役で店で売っていたことです。このHTMLも、最初はVzで書きました。流石にビレッジセンターもなくなってしまいました(現在)が。
インタビュー
USER REPORT
Oh! Dyna(ソフトバンク)、号
そうだ、こんなのもあったんだ。今はなきJ−3100の雑誌に付いていたハガキで、妻が勝手に応募したら、どういうわけか当選(?)してしまったのです。写っている写真を見ると、子供が何とも言えず小さいのにびっくり。いろいろとコンピュータについてのごたくを並べたのですが、いくつかは記者の方が聞き間違えたらしく、ちょっとおかしくなっています。一番困るのは、「ソフトは思想の反映」というのが「思考の反映」にされてしまったこと。全然意味が違うぞ。
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