楽器に関する覚え書き
マンドリン――mandolin
いつ買ったのかまるで覚えていない、それ程放っぽらかしだった楽器。ただ、十二弦ギターで上手く出来なかったトレモロを今度こそと思って買ったのだから、宇宙暦38年より数年後ではある。これを書いている宇宙暦53年の十年くらい前かなあ。
これは買ってすぐ挫折し、数年後にウィンドシンセサイザーを購入した際に引っ張り出した。その時はメロディくらいは弾けるようになったが、すぐに鬱が悪化して再び挫折。またまた引っ張り出してきたもの。運指も結構覚えているものですね。
調弦がギターと違っているのでどうかと思ったが、それ程違和感はない。ギターは四度、こちらは五度差の調弦だが、何となく出来てしまう。ウクレレやバンジョーも違うのだから厄介なものだが、マンドリンはヴァイオリンと同じらしい。相対音階としてはヴィオラと同じになるわけである。
問題となっているトレモロだが、ピックを弦に当てて素早く上下させる。力を入れると上手く行かないそうだが、なかなか難しいものである。十二弦ギターでも厄介だったし。「太陽がいっぱい」とか、少し弾ける程度。マイク・オールドフィールドの曲も難しくて出来ません。フレットの間が短いので指がぶつかりやすく、コードも抑えにくい。結局寝っ転がっていい加減に奏でるというだらしない楽器になっている。
しかし、このだらしなく弾けるところが私に向いているのかも知れない。三線もだが、簡単な曲を座椅子に転がってちょこちょこ弾くのは何とも気分が良い。どうせ人前でやるわけでもなし、童謡や小曲を好きに弾ければいいのである。そういうことが許されるところが気に入っている。
(宇宙暦53年5月14日)
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